シズミヒメ

2020.12 10p

パチパチヒメ

2019.12 6p

ミズギヒメ

2018.12 10p

オ天気ヒメ

2018.8 10p

貼ラレヒメ

2018.4 12p

ムシササレヒメ

2017.9 10p

創作に当たっては、シチュエーションから発想してキャラクターはその後から当て嵌め作っていくことが多い作者にとって、一つの作品を描き終えると同時に、登場人物はその世界観と共に役目を終えるのが常だった。身も蓋もない言い方をすればキャラの使い捨てだ。だが、細かな設定を積み上げて人物を造形するタイプではない上、生来の飽きっぽさも兼ね備える自分にとっては読み捨ての短編を量産するのが一番性に合っているのだろう。ここまで技術方面以外で、特に悩むことなく作業が続けられているのだから。 本作もこれまで同様、まず頭に浮かんだのは「暑かったあの夏の一日」というボンヤリとした言葉。劇中、特に何か大きな事件が起こるわけでもなく、でもだからこそ、ふと読み返したくなる…誰かの原風景のような作品は描けないかと考えたのがきっかけだった。
だが、そんな何気ない日常の断片を描くからこそ、ポっと出のキャラクターに自分の感情を乗せることが難しいのだということにも間もなく気付いた。そこで、数か月呻吟しながら付き合い、描き終える頃には多少別れがたい感情も芽生えていた沼部の二人を再び登板させた。お互い一方的な想いで動いているだけの本作だが、そんな些細なすれ違いや交流がラブコメ的な読み心地も持たせることができたなら、それはそれで良いアクセントになったのかなと思う。
作画的には苦労も無い、自分的に「楽な絵」の連続で、少々後ろめたいのだが。

沼サーの姫

2017.4 147p

コミック工房2、初製作作品。
投稿・公開は当初想定せず、3DS(というか電子デバイス)で漫画を描くという未知の経験を、「ゲームソフトで遊んでみる」というスタンスで進められた。

元々ひとりで遊んでいるだけなのであえて先の展開も考えず、いきなり始めて最初の20枚ぐらいを描いた。その後、製作のペースなども把握、ソフトの使い方も慣れてきたところで作業を本格化。ロケハンやネット検索で素材集め、キャラクターデザイン(描き始めた後に紙に起こしたので正確には後付けの清書)、舞台のラフ描きなどを用意。
だが、相変わらず内容に関してはぶっつけ本番、5枚描いたら次の5枚分のネームを用意するという方法を最後まで通す。
製作途中で知ったゲームソフト公式サイトへの投稿も「いずれその時が来たらいいな」ぐらいの気持ちでのんびりやっていたので、今考えれば効率の悪い方法も多々選んでいたかもしれない。
だが、段々とこの「遊び」にのめり込んでいき、とっくに筆を折っていたつもりの漫画趣味を日常生活の中に取り戻すために、必要な時間だったとも思う。…絵の上達は見られず、二十年前のレベルになんとか戻せただけだったが。

結果、高校生グループが沼で遊び、宇宙生物と遭遇するというおかしな物語は、完成までに9か月かかった。